本書は、環境システム学の流れを踏まえ、環境を人および人の生活する社会との関連のもとでシステムとして捉え、社会と環境の基礎づくりをシステム面から実現させていくことに重点を置いた内容になっています。
すなわち、人間と環境のシステム、エネルギーと資源・環境問題、環境と社会システム、環境と経済、環境と経済、環境と倫理、環境システムの解析手法、システムズ・アプローチ、環境保全の技法、環境アセスメント、環境リスク管理、環境と技術などを含んでいます。
まえがき
第1章 環境システムとは ~環境システムの理解~
人間と環境のシステム
環境システムとは
環境倫理
持続可能な発展(Sustainable Development:SD)
環境と共生
環境システムの構成
相互規定的な環境との関係
エネルギーと資源・環境問題
エネルギーの原点
一次エネルギー
二次エネルギー
エネルギー・資源・環境
第2章 環境と社会システム
環境への感受性 ~当たり前を見直す想像力~
身のまわりの風景
あたりまえの環境
社会システムとライフスタイル
自動車社会
大量消費社会
社会に埋め込まれたライフスタイル
環境社会システム
環境社会学について
コモンズ(Commons:共有地)として環境を捉える
環境とのかかわり
コモンズという視点
多様なコモンズ
新しいコモンズを形成する
第3章 環境と経済
環境問題への国際的な取り組み
京都議定書の発効とその議題
循環型社会への転換
環境の経済的評価
経済社会システムの復元力
市場メカニズム機能と環境の評価
環境の全経済価値の計算
費用と便益の割引き
環境便益の測定法:直接的評価手法
企業の環境改善への取り組み
環境マネジメントシステム(EMS:ISO14001)
CSRの浸透
環境報告書の作成
環境会計の導入
エコファンドとバイオ燃料
第4章 環境と倫理
はじめに
応用倫理としての環境倫理,ビジネス倫理そしてエンジニア倫理
ビジネス倫理とCSR
エンジニア倫理
環境倫理と技術倫理
環境倫理の基礎
環境倫理の起こり
環境倫理の三本柱
自然の生存権の問題
世代間倫理の問題
地球全体主義(地球有限主義)
現実社会における環境倫理学
環境的公正(環境正義)
エコフェニズム
ソーシャル・エコロジー
ライフスタイル
まとめ
第5章 環境システムの解析手法
システム/制御/情報の素養
システムモデル
システム制御
システムズアプローチとは
システムとは
システムズ・アプローチ
ミクロアプローチからマクロアプローチへ -全体的視座を求めて-
これまでのシステムズ・アプローチ
しなやかなシステムズ・アプローチ
システムズ・アプローチと自己組織化現象
しなやかなシステムズ・アプローチの将来性 -21世紀技術の新展開にむけて-
第6章 環境保全の技法
環境アセスメント
環境アセスメントとその要件
環境影響評価法(環境アセスメント法)制定までの経緯
環境影響評価法における理念
環境影響評価法(環境アセスメント法)の特質と手続き
日米アセス手続きの比較
環境アセスメントにおけるコミニュケーションの要点
戦略的環境アセスメント(SEA)
ミティーゲーション
環境対策と予防原則
環境リスクの評価と管理
環境リスクの考え方とその必要性
化学物質の環境リスクの評価の手順
曝露量の推定
容量-反応関係
リスク評価
リスク管理
予防原則とリスク管理
環境と技術
環境修復技術
環境低負荷型技術
環境改善の新素材技術
索引