まずは、温室効果の基礎的な解説から、地球大気のCO2収支のバランス、CO2の排出算定の方法、さらに2050年のカーボンニュートラル実現への我が国の戦略、手段、方法などについて紹介しています。その後に具体的な削減方法として省エネルギー、再生可能エネルギー、原子力発電の導入や課題を述べています。このほか、さらにピックアップして、CO2 を多量に排出する鉄鋼業における高炉の脱炭素技術やネガティブエミッション技術としてCO2 の回収・有効利用・貯留技術の説明を記しています。
我が国のカーボンニュートラルへの取組みがよくわかる一冊です。
はじめに
1章 カーボンニュートラル
1.1 概要
1.2 カーボンニュートラルとは
2章 地球温暖化のメカニズム
2.1 太陽の放射エネルギー
2.2 太陽からの熱放射スペクトル
2.3 大気の熱収支
2.4 温室効果ガスの影響
2.5 温室効果ガスの種類,発生源と地球温暖化係数
2.6 大気中への排出CO2濃度の収支
3章 二酸化炭素(CO2)排出量
3.1 世界のCO2排出量
3.2 我が国のCO2の部門別排出量
3.3 我が国の産業部門からの業種別CO2排出量
3.4 我が国の運輸部門からの種類別CO2排出量
3.5 我が国の業務その他部門からのCO2排出量
3.6 我が国の家庭部門からのCO2排出量
3.7 非エネルギー起源CO2排出量2
4章 温室効果ガスの排出係数
4.1 排出量の基本的な算定基準
4.2 CO2排出係数の算出
4.3 燃料種別ごとのCO2排出係数
4.4 電気事業者のCO2排出係数
4.5 その他のCO2排出係数
4.6 非エネルギー起源CO2排出係数
4.7 ほかの温室効果ガスの排出係数
5章 カーボンニュートラル実現への対策
5.1 国際的な取組み
5.2 パリ協定の概要
5.3 カーボンニュートラルへのイメージ
5.4 カーボンニュートラルへの取組み
5.5 我が国のグリーン成長戦略
5.6 GX(グリーントランスフォーメーション)の推進
6章 省エネルギー
6.1 省エネ法
6.2 省エネへの取組み
6.3 2030年に向けた省エネの対応
6.4 今後の方向性と課題
7章 再生可能エネルギー
7.1 導入
7.2 促進制度
7.3 発電コストの試算
7.4 太陽光発電
7.5 風力発電
7.6 地熱
7.7 中小水力エネルギー
7.8 バイオマス
8章 原子力発電
8.1 現状
8.2 原子力発電の立場
8.3 安全性の追求
8.4 核燃料サイクルの確立
8.5 革新炉の開発
8.6 課題
9章 鉄鋼業の脱炭素技術
9.1 鉄鋼業の低炭素化
9.2 高炉水素還元技術
9.3 CO2分離回収技術
10章 CO2の回収・有効利用・貯留(CCUS,DAC)
10.1 CCS(Carbon dioxide Capture and Storage,回収貯留)
10.2 CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization,回収有効利用)
10.3 CCUSの課題
10.4 直接空気回収技術(DAC,Direct Air Capture)
参考文献
索 引
あとがき