電気回路の計算は、オームの法則、キルヒホフの法則に基づいて行われ、きわめて単純な代数計算により実行できるが、交流電圧電流を扱う場合、電圧と電流の間に時間的なずれ(位相差)が生じ、電圧、電流の加減算に基づく回路計算が複雑になる。これを解決するのが複素変数jωである。しかし、初学者が最も頭を悩ますのがこのjωの扱いである。本書では、jωを導入する過程について特にページを割いた。多くの類書ではベクトル図を用いて、正弦波交流を扱っているが、時間変数である正弦波と、2次元で表現されるベクトルとの繋がりを理解することに初学者は戸惑うことが多い。ベクトルによる表現をできるだけ避け、時間関数としての正弦波とjωの関係に力点をおいて、分かりやすく解説している。