高電圧工学は電気回路や電磁気学を基礎とし、高電界強度下における特殊な物理現象を解明するための学問として電力工学とともに100年の歴史を持って発展を遂げてきました。
近年ではUHV送電や雷害対策、高精度計測技術等のいわゆる電力工学分野のみならず、医療機器、加速器、プラズマ、オゾンなどの最先端研究からテレビや消臭器、集塵機等の家電製品に至まで多くのさまざまな分野にその技術は応用範囲を伸ばし利用されています。
本書は、千葉工業大学電気電子情報工学科の3年生に対して筆者が行っている「高電圧工学」の講義をもとに、大学、高等専門学校の初学者を対象にまとめたものです。
特に、放電現象の基礎知識の習得のためには、その内容を基礎的事項に絞り、数式での表現よりも現象の表現を重視し、体感的なわかりやすさを求めています。