測量をはじめて学ぶ方を対象とした入門書であり、一方で、公共測量を実施できる基礎知識・能力の習得を目的にした高度な内容も掲載しています。読者の理解の助けになるように、語句の解説文を数多く挿入しました。
2020年3月の公共測量「作業規程の準則」改定に対応し、最新のUAV写真測量や地上レーザ測量についても記述しています。
2004年に発刊以来、多くの教育機関で活用され、今回改訂3版となりました。
序章
1 測量技術の起源と歴史
2 測量の定義
3 測量の分類
3-1 測量法上の分類
3-2 測量範囲の広さによる分類
コラム:公共測量実施のための法的手続き
第1章 座標系
1 座標系とは
1-1 測量の基準
1-2 主な座標系
2 地球の形と座標系
2-1 回転楕円体(準拠楕円体)
2-2 測地座標系と楕円体
2-3 高さ
3 測量における座標系
3-1 緯度経度座標系
3-2 平面直角座標系(19座標系)
3-3 任意座標系(局地座標系)
4 座標変換
4-1 座標変換と座標換算
4-2 日本測地系と世界測地系
第2章 観測値の処理
1 誤差処理
1-1 誤差の種類
1-2 観測データの分布
1-3 母集団の分布
1-4 誤差の分布
2 誤差伝播の法則
2-1 線形関数の場合
2-2 非線形関数の場合
2-3 誤差伝播の法則の具体例
3 最小二乗法
3-1 最尤法と最小二乗法
3-2 測定方法の分類
3-3 条件なし直接測定の場合
3-4 条件なし間接測定の場合
3-5 条件つき直接測定の場合
3-6 条件つき間接測定の場合
第3章 距離測量
1 距離の定義
2 距離測量の分類と精度
2-1 分類
2-2 精度
3 距離測量用機器
3-1 巻尺とポール
3-2 電磁波測距儀
3-3 トータルステーション(TS)
4 距離測量の方法と補正
4-1 歩測による方法
4-2 鋼製巻尺(鋼巻尺)による方法
4-3 光波測距儀やTS による方法
4-4 スタジア測量による方法
コラム:尺定数の比較検定
コラム:VLBIによる基線観測
計算問題
第4章 角測量
1 角とは
1-1 水平角と鉛直角
1-2 角度の単位
2 角度測定器(セオドライト)
2-1 セオドライトの種類
2-2 セオドライトの器械誤差
3 水平角の観測
3-1 観測の準備
3-2 水平角の測定
4 鉛直角の観測
4-1 鉛直角の読定
4-2 鉛直角の測定
計算問題
第5章 トータルステーションによる測量
1 トータルステーションとは
2 トータルステーションの種類
2-1 仕様による分類
2-2 測距方式による分類
2-3 性能による分類
3 各部の名称と構造
3-1 各部の名称
3-2 光学系
3-3 全体構造(断面図)
3-4 電気系
4 基本機能
4-1 角度測定に関する機能
4-2 距離測定に関する機能
4-3 球差・気差(両差)補正
4-4 データコレクタ(電子野帳)
5 応用測定機能
5-1 視準オフセット測定
5-2 遠隔測高(REM:Remote Elevation Measurement)
5-3 対辺測定(MLM:Missing Line Measurement)
5-4 座標測定
5-5 測設(ステークアウト、杭打ち)
5-6 トータルステーションシステム(TS システム)
コラム:モービルマッピングシステム(MMS:Mobile Mapping System)
コラム:3次元レーザスキャナ(3D laser scanner)
コラム:GNSS・TSを用いた主な情報化施工
第6章 基準点測量
1 概説
1-1 国家基準点
1-2 基準点測量
2 多角測量(トラバース測量)
2-1 多角網の種類と特徴
2-2 作業工程と留意点
2-3 単路線方式での簡易網平均計算
2-4 Y型定型多角網の簡易網平均計算
2-5 閉合トラバース計算例
2-6 偏心観測
3 GNSS(GPS) 測量
3-1 概説
3-2 GNSS 測量の分類と利用
3-3 GNSS 測量機とGNSS 測量の特徴
3-4 単独測位
3-5 ディファレンシャル方式
3-6 干渉測位方式
3-7 スタティック法(静的干渉測位法)
3-8 RTK法(動的干渉測位法:リアルタイムキネマティック法)
3-9 ネットワーク型RTK 法
3-10 GNSS 観測による基準点測量の作業順序
3-11 電子基準点を用いた基準点測量とGNSS 導入メリット
4 三角測量
4-1 三角測量の原理と特徴
4-2 測定内角の調整
4-3 四辺形の調整計算
5 三辺測量
計算問題
第7章 水準測量
1 水準測量の基本用語
2 水準測量の分類
2-1 観測方法による分類
2-2 目的による分類
2-3 公共測量による分類
3 水準測量の使用器械・器具
3-1 レベル(水準儀)の種類
3-2 標尺(スタッフ)
4 水準測量の観測方法
4-1 水準測量の観測のための基本用語
4-2 器高式
4-3 昇降式
4-4 交互水準測量
5 水準測量の観測誤差とその消去方法
5-1 器械的誤差
5-2 自然的誤差
コラム:丁張
6 水準測量の誤差調整
6-1 誤差の調整方法
6-2 水準網における最確値
コラム:回転レーザやTSを利用したブルドーザやモータグレーダのブレード自動制御システム
計算問題
第8章 地形測量および写真測量
1 図解平板測量
1-1 概要
1-2 使用器具
1-3 作業順序
1-4 平板の据付け(標定)と誤差
1-5 平板測量の方法
2 数値地形測量(現地測量)
2-1 概要
2-2 作業工程と作業内容
2-3 GNSSによる細部測量
2-4 TSやGNSS以外のオンライン方式
ー電子平板システムでのデジタルオルソ画像の利用ー
3 空中写真測量
3-1 概要
3-2 空中写真測量による地形図の製作
3-3 撮影縮尺と地形図の縮尺
3-4 視差差と高低差(標高差・比高)
3-5 写真画像のひずみ修正
コラム:数値地形モデル(DTM)
4 既成図数値化(MD)
5 修正測量(数値地形図修正)
6 写真地図作成
7 航空レーザ測量(ALS)
コラム:リモートセンシング(RS:Remote Sensing)
コラム:合成開口レーダー(SAR:Synthetic Aperture Rader)
第9章 地図製作(編集)とGIS
1 地図製作(編集)とは
1-1 地図の定義
1-2 地図製作に必要な技術
2 地図投影法
2-1 方位図法
2-2 円錐図法
2-3 円筒図法
3 縮尺と図式
3-1 地図の縮尺
3-2 図式
3-3 レイヤの概念
3-4 地物の概念
4 GIS(地理情報システム;Geographic Information System)
4-1 GIS とは
4-2 わが国におけるGIS の歴史と現状
4-3 数値地形データと基盤地図情報
4-4 クラウド型GISによる地理空間情報の共有
第10章 面積・体積計算と面積分割・境界調整
1 面積の算定
1-1 直接測定法
1-2 間接測定法
2 体積の算定
2-1 断面法
2-2 点高法
2-3 等高線法
3 面積分割・境界調整
3-1 面積分割
3-2 境界調整
コラム:用地測量
計算問題
第11章 基礎測量実習
1 距離測量
1-1 歩測による距離測量
1-2 鋼巻尺による精密距離測量
2 多角測量
2-1 水平角の観測
2-2 閉合多角(トラバース)測量
3 水準測量
3-1 レベルの点検・調整
3-2 水準測量における留意点
3-3 水準測量作業
4 平板測量
4-1 基準点の設置および骨組測量
4-2 細部測量
4-3 平板測量の内業作業
4-4 アリダードによるスタジア法
4-5 平板による等高線測量
5 データシート
6 測量実習における安全の心得
計算問題解答(3・4・6・7・10章)
付録 測量に必要な基礎数学、ほか
1 数値の丸め方
1-1 切り捨て
1-2 切り上げ
1-3 四捨五入
1-4 五捨五入(偶捨奇入)
2 有効数字
2-1 加減算
2-2 乗除算
3 三角関数
3-1 基本公式および各公式間の関係
3-2 各象限(第1 象限~第4 象限)での基本公式の符号
3-3 特別な角の三角関数
3-4 負角および90°の倍数和・差の角の三角関数(0 <θ< 90°)
3-5 三角関数の主な公式
4 行列と行列式
4-1 行列
4-2 いろいろな行列
4-3 行列の計算方法
4-4 行列式
5 簡単な微分と積分
5-1 微分の公式
5-2 積分の公式
5-3 偏導関数
5-4 関数の展開式
6 測量法(抜粋)
7 測量の改革 ~i-Constructionによる生産性向上~
8 セミ・ダイナミック補正(地盤変動のひずみの影響を測量成果に反映する補正法)
9 地理空間情報活用推進基本計画の今後と測量の役割
10 地上レーザ測量(TLS)
11 UAV写真測量
索引