「大学の初年次」において、確率論および統計学の基礎的事項を一通り学ぶための自習書として作成しました。また、社会調査士資格のカリキュラムにおけるD科目対策としても利用できる内容を備えています。
社会調査士資格は文系学生も多く受験するため、微積分の知識がなくても読み進めることができるように、確率密度関数に対する積分計算は付録の一部にとどめています。その一方で、検定統計量の数学的構造を理論的に解析することによってそれが従う確率分布の特徴を明らかにし、断片的な知識になりがちな推測統計の手法を有機的に理解できるように努めています。
さらに本書では数値を代入すればすぐに答えが出てくる安易な方法はとらず、理論的な裏付けを常に確認しながら議論を展開しています。
巻末付録に挙げた性質の証明も飛ばさずに読みながら理解を深めて下さい。